介護の現場には、利用者や介護士を含め、非常に多くの人が携わっています。
そのため、それらを管理・統括する管理職が必要になってきます。
しかし、管理スキルは介護の現場で養うことは難しく、一部の熱意とリーダーシップにあふれた人材の双肩に管理職としての仕事が担わされていたのが以前の姿でした。
それが、民間企業の介護事業参入が行われるようになった直後、一般企業などで管理職経験がある人材が、有料老人ホームの施設長やデイサービスのホーム長といった管理職を勤めていました。
しかし、こうした措置を講じた事業所の多くは失敗の憂き目に遭い、大幅な軌道修正を迫られるか、最悪では廃業してしまう結果に陥ることになります。
その原因は、管理職の介護に関する知識不足にありました。
介護については、現場の士気は管理する側の介護に対する知識量に明確に比例します。
現在ではこの教訓を踏まえ、管理職にもしっかりとした実地での経験が求められるようになってきています。
そうした紆余曲折があるため、管理職として就職した場合、「昔は現場のことを何も知らない人が仕切っていたけど、最近はだいぶ変わった」という評判を耳にするという経験を味わった人は多くいるはずです。
介護の管理職にまつわるあるある話の一つですが、そういった評価が現在語られるようになったということは、介護業界における管理職に対する認識が大きく改善してきたことを端的に表しているとも言えます。